この階段のように、
平坦では無かった、
この道筋。
いつものようにヘラヘラして、
当たり前のようにシャンプーをし、
当たり前のように髪を切っていますが、
若かりし頃、
シャンプーのテストさえ合格しなかった日々。
何考えてシャンプーしてるの?
受かるためにしています。
もっと考えろよ。
先輩方のお声。
4人同期がいて、僕だけ受からなかった。
悶々と何でを考えた。
分からなかった。
ただ、気持ちよくなってもらいたい。
その心はありました。
それが正解でした。
テストに受かりたい×
気持ちよくなって頂く〇
マニュアル通りにしても、
そこに心がなければ、
何も伝わらない。
合格!
の声を聞いた時、
涙したのを憶えています。
役に立たなくてごめんなさい。
お昼ご飯ばっかり買いに行ってごめんなさい。
いつか、恩返ししますから、
今だけは許してください。
罵声も文句も今となっては
大切な宝物です。
僕のためにと、大切な時間を、
割いてくださった先輩方が大好きです♡
時は流れ、
シャンプーもカットもパーマもカラーも当たり前。
ただ、
僕が考え、
思う美容師はそこにはありません。
人としての、
優しさが、
刃先から、
指先から伝わりますように。

階段